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Netflixのネクスト・イン・ファッションがアツイ!

こんにちは、さりです。

昨日の寒さは10月とは思えないものでしたね。7月といい、全体的に晴天に恵まれていない年のような気がしますが、統計的にはどうなんでしょう。衣替えを一気にしてしまうのはリスキーな感じがして、クローゼットがカオスな状況です。

 

今日は、最近一番はまったサバイバル・オーディション番組「ネクスト・イン・ファッション」について。

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それぞれ専門が異なる18名のデザイナーたちが集められ、毎回課題に挑戦し生き残った一人が、「次のファッション業界の顔」として認められる。

既に自分のブランドを持っている人も多く、才能あるデザイナー達だが、household name=世界的な名声を得ているわけではないというところがポイント。今までやった仕事を聞くと、いろんなセレブやアーティストの名前が出てくるからすごい。そこから一歩抜け出すのがどれほど大変か、ということですよね。

 

全く服飾関係に縁のない私ですが、この番組にハマった理由は2つ。

  1. オーディション前半をペアワークにしたこと
  2. 参加者がお互いを認め合い、助け合っていたこと。

審査もガチです。ネタバレを含みますが、審査員の一人が納得せず撮影スタジオから出て行ってしまったことも。

面白いのは毎回最下位のチームを2つ発表するシステム。そのうち1組が敗退です。なんとか生き残った1組は、自分たちがボーダーライン上だったことを知っているので、次はもっと頑張ろうと奮起します。彼らの成長を促しつつ緊張感を保つ良い方法だと思います。

 

参加者は、デザイン、生地選び、型紙、縫合、細かい仕上げ、モデルへのフィッティング、メイクやウォーキングのチェックを1日半程度でやらなくてはいけないので、プレッシャーやストレスで、極限状態。

しかも、来ている人を美しく見せるだけでなく、着心地や仕上がり、TPOについても細かく専門家からチェックされるので、細部まで気を遣います。

 

ファッションに特別興味がない、というそこのあなたも、ぜひ

「チームワーク力選手権」だと思ってみてください。

ストレスのかかる状態だからこそ、他人と一緒に働く難しさが様々な場面で突き付けられます。ペアごとに課題への取り組み方や協力の仕方が違うので、そこに注目です(特に第1話はカオス)。

 

制作過程を見ていない審査員もいるのに、結果的にチームワークの良いペアが勝ち残っていくのがめちゃめちゃ面白いです。

うまくいっているペアは、自分の主張を通す部分と相手の意見を聞く塩梅と、意見の伝え方がうまい。逆に作業自体はスムーズでも、二人のパワーバランスが悪いとコラボレーションが生まれず、作品として弱くなってしまうのも興味深かったです。

 

Julian & Hayley

初対面ペア。徹底的に意見が合わないので、どちらかが毎回リード役、もう片方がアシスタントという役割分担。愚痴はどんどん出てくるが、ルールと責任を明確にすることで作業自体はなんとか進めていきます。見てるこっちが毎度ハラハラ。

しっかり話し合ってお互いの意見が作品に反映されているという実感があれば、自信をもって審査員に作品を見せられるはずなのですが、「自分の意見が無視された」と片方が思っているのが審査員にも伝わるんですよね。というかその辺をインタビューでしっかり聞き出しているから面白い。

 

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Charles & Angelo

アンジェロは、デザインのテーマやアイデアはどんどん思い浮かぶけど、実際の製作の段階になると戦力にならない、アーティストタイプ。

一方チャールズは自分のブランドを持っていない数少ない参加者。でも、リクエストに応えられる確かな技術力があり、凝り性。世界観や圧倒的なパワーは少し足りないかも?

序盤はアイデアマシーンアンジェロをうまくチャールズが手綱を握って、高評価の作品を仕上げることに成功。マッドマックス的な「翼」をコンセプトにしたドレスがかっこよかった。

 

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Isaac & Nasheli

ヘビ柄の生地に泣かされた二人。アイサックの提案が押し切られるが、とても縫いにくい生地のため、時間がないのに作業がより大変に。レディースは経験がないからとかなんとかで、ミシンの作業はなぜかほとんどナシェリがやることに。WHY?

提案した本人が手持ち無沙汰なのはどう見てもおかしいのだけど、彼のある意味すごいところは、「自分はインスピレーション担当だ」と堂々としているところ。

完成した作品はこんな感じ。Games of Thronesみたい。

 

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審査員たちがランウェイを見ただけで、モデルが歩きにくそうと見抜いていたのがすごかった。実際にレッドカーペットで着ることを考えると、長い距離のカーペットを歩くのに問題ないか、途中でトイレにも行けるか等も審査の基準になる。

そんな審査員からの指摘に対しても、「僕たちは伝統的なレッドカーペットじゃなくて未来を見てた」と開き直れる度胸は只者ではない。

 

Kiki & Farai

キキの元で働いていたファラーイ。師弟関係を超えた、家族のような2人の関係性は完璧なはず…

アフリカスピリットが染み付いている2人は、独自路線かついろんなことに挑戦しすぎて、逆にやりすぎと言われることも。柄物がテーマの時は、そのアフリカン・テイストがうまく活かされていたと思います。

一つ問題なのは、完成図をしっかりと描く前に勢いで発進して、作業を進めながらアイデアを足していってしまうこと。足し算しまくるのが必ずしも正解なわけではない、というのがファッションの難しい部分なのでしょうね。この辺りはスーツの回を見てください。

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Claire & Adolfo

あまりアドルフォのアイデアが聞こえてこないが、チームワークは良さそうな二人。彼が本当にクレアに賛成しているのか、それともクレアの作り出すイメージに乗っかるのが上手なのかはよくわからない。

ペアワークだからこそ生まれる、二人の個性のコラボレーションがあまり見られなかったのが残念でした。一位をなかなか取れなかったのは、そこが原因だったのではないかと個人的には思っています。他のペアと比べて全体的に少し弱く見えてしまうというか。

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Narresh & Lorena

レッドカーペットの回のインドのサリーからインスピレーションを得たと思われるドレスはすごく素敵だった!

プリント柄が得意と言っていた彼が、自分でデザインしなかったことで敗退したのは、残念でもあり業界の厳しさを突き付けられたエピソードでした。あまり柄を好まないパートナーへ歩み寄るために、地味ながらで攻める決断したのはまだわかる。でもデザイナーとして、世界で勝負するためには、挑戦し続けるマインドと独創性がないといけないということですよね。

「コマーシャルすぎるのが残念だった」という審査員からのコメントがずっしり響きました。確かに一般ピープルにも手を伸ばせそうな感じだった。

 

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Ashton & Marco

18年来の友は伊達じゃない。お互いにアドバイスし合い、助け合い、任せるところは任せる。アクシデントで一時1人での作業になってしまった時も、アッシュトンを信じて任せたマルコ。信頼にこたえたアッシュトン。かっこよかったなー!

苦手なプリントや柄が課題の回でも、リボンで格子柄を作るなど、自分たちのスタイルでのアレンジがうまいんです。一方で、舞台衣装っぽいというコメントも何度か聞こえてきました。

「本当に世界で勝負したいならLAスタイルから一歩出ないと」自分たちのスタイルを高いレベルで示せるのは確かにすごい。でも、もっとその上に昇るためにはさらなる挑戦が必要ということなんだと思います。

 

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Carli & Daniel

同じ学校出身で、イギリス出身。2人ともどちらかというとシンプルなフォーマルウェアが専門という似た者同士のペア。専門外の課題に対しても、「自分たちらしさ」を織り交ぜられるのが強い。

カーリーは少し短気なところがある完璧主義者。現状に満足せず最高を突き詰める性格。焦ると口が悪くなり、ダニエルが落ち着かせるのがいつものパターン。得意分野であるスーツの回は、周りからの期待値も高い中で、しっかりと作品を作り上げたのは二人の実力の高さを証明していると思います。

あと、ダニエルは番組や各回のテーマを理解して、各課題に取り組んでいるのがすごいと思いました。例えば、柄物の回で3Dプリンターが用意されていると知ると、一種類はオリジナル・デザインを作った方がいいよね、と提案したり、コレクションの回で、あえて自分の専門ではないレディースをメインの作品に置いたり。

作業を見学しに来た審査員がぽろっとこぼした一言を逃さず、自分の成長につなげる姿勢は素晴らしいし、ライバルにアドバイスを求められた時も真摯に答えてあげる人柄(ジェントルマン)!最高ですよ。

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Angel&Minju 

シリーズ全視聴者、通称「ドラゴン・プリンセス」のこの二人を好きにならずにはいられないですよね!!何より楽しそうだし、二人の息があっているし、デザインも新しい。

エンジェルは、色の使い方や組み合わせ方がすごく上手。ミンジュは、袖の膨らませ方とかウエストの詰め方とか、服の構造がオシャレで新しい。お互いの強みを生かすことで、他では見たことのない新しい作品が出来上がる。ただ、タイムマネジメントだけはあまり得意ではないようで、いつもぎりぎりまでバタバタしているのもご愛敬。

あれだけ流行の移り変わりが激しいファッション業界で、「新しさ」を表現するってとてつもなく難しいことだと思います。昔のファッションからインスピレーションを得たり、オマージュという表現もあるくらいだし、真に「新しい」ものってもはや存在しないのかもとも思ったりします。

でも、同じ美術作品を見たときの感じ方や同じ本を読んだ後の感想が一人ひとり違うように、皆それぞれ自分自身の心の中にフィルターを持っていて、そのフィルターを通してこの世界を見ているはず。

ミンジュの作品はどれを見ても、ミンジュのデザインだと分かるくらい統一感があるんですよね。「私は世界をこんな風に捉えている」と、作品を通して自らの価値観を投影できているのが彼女の強み。ブランドとしても、オリジナリティーやコンセプトが確立しているのはとても重要なことだと思います。

 
 
 
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ランウェイの演出がガチで、お金かけてるなーというのもNetflixぽくてよかったです。最初のレッドカーペットの回の花の演出がゴージャスで特にお気に入り。

審査内容や結果に文句は全くないけど、Comfort zoneではないレディースに挑戦したダニエルはやっぱりすごいよ、という最後の独り言でした。

恋愛リアリティショーも面白いけど、世界中の才能ある人々のバトルはまた違った感動がありますね。大満足でした!